「カニの成長と脱皮の関係」
カニをはじめとした甲殻類は、脱皮を繰り返すことで外殻が徐々に大きくなります。
ズワイガニの場合、卵から孵化して５回目の脱皮までは数か月のサイクルで。
その後は１年に１回のペースで、毎年９〜１０月頃に脱皮を行います。
そしてある回数の脱皮を行うと、もうそれ以上は脱皮をしなくなります。
(雌の場合は最大で11回、雄は最大で16回)

脱皮をしなければ、見た目の大きさはそれ以上大きくなることがありません。
その代わりに殻の中の身入りはどんどん良くなり、しっかり身の詰まったカニとなります。
通常セリに掛けられるのは、この最終脱皮を終えて１年以上を経過した【たてがに】と呼ばれる品物です。

対して、９〜１０月に脱皮したばかりのカニは「水がに」や「若松葉がに」と呼ばれ、身入りが悪いことから安値で取引されます。

また、この水ガニもやがて最終脱皮を迎える「たてがに予備軍」ですから、獲れば獲るほど将来の資源量が減ることになります。
そのため、たてがに同様に漁獲時期・水揚げ可能な枚数が厳しく制限されています。
 

一度の脱皮で、甲羅の幅が約15ｍｍ大きくなります。
甲羅だけでなく、足や爪も一回り大きくなります。


脱皮したばかりの甲羅は非常に柔らかく、簡単に凹みます。
柔らかいからこそ、一回り小さな古い甲羅の中に収納できる訳です。
脱皮したのちに膨張し、硬化していきます。