城崎温泉といえば、やはり冬のカニというイメージが強く、現に冬は1年でも最もお客様の多い時期で、カニというものがそれだけ強い訴求力を持っている訳ですが、それゆえに残念な事態も起こります。
コロッケ、肉まん、煎餅etc、町には「カニ」と名の付く商品があふれているものの、一口にカニと言っても千差万別。
品種・価格・品質と、用いるカニの種類によって大きな違いがあるものの、明確な品質表示をされている商品はほとんどありません。
典型的なのが「松葉ガニ」という呼称で、地元に水揚げされたいわゆる「地ガニ」を意味する言葉ですが、近年では1匹が数万円という常軌を逸した水準まで高騰しており、とても加工原料として用いることはできません。
原料として用いられるのは、輸入品(冷凍)の「ズワイガニ」であったり、あるいは松葉ガニとは別種の「ベニズワイガニ(紅ガニ)」なのですが、それではお客様にアピールできない。
結果、本来廃棄する「松葉ガニの爪先の身」をごく少量混ぜ込んだだけのものや、産地不詳のカニを用いた商品が堂々と松葉ガニを名乗ることになります。
全くもって嘆かわしいことです。
この品に原材料として記載されているカニ類は「かにパウダー」のみ。
国産のズワイガニをパウダー状のエッセンス(風味付け)に加工したという事で、カニの身が入っている訳ではありません。
ガッカリされる方もいらっしゃるでしょうが、紛らわしい表記をするよりよほど誠実です。
名称…米菓
内容量…36g(個装込み)
原材料…もち米(国産)、米油、香味調味料、食塩、カニパウダー/調味料(アミノ酸等)、香料、着色料(カラメル)、甘味料(甘草・ステビア)