※今期の製造は終了しました。ご愛顧いただき、重ねて御礼申し上げます。
毎年ご好評をいただいている、夏季限定の「旬(とき)あご板」です。
当店からも二方蒲鉾本社からも車で15分ほどの豊岡市竹野港をはじめ、山陰沿岸で水揚げされる地物のトビウオを、タラのすり身と絶妙の割合でブレンドし、毎年この時期だけ製造しています。
トビウオ自体は日本各地で水揚げされ、南西諸島や小笠原産の個体は冬場でも市場で見かけますが、この「旬あご板」に用いられる【丸トビ(ホソトビウオ)】が日本海沿岸に回遊してくるのは、例年初夏〜盛夏のごく短い期間。
「旬」というネーミングも納得ですね。
味わいとしては、タイ・タラだけのすり身に比べると甘味が控え目で、私はほのかな苦味を感じます。
また小骨もそのまま擂り潰していることと、脂肪分の少なさから食感はやや固めに仕上がっています。
通常の蒲鉾のように、一口噛むとすぐに旨味が広がる訳ではありませんが、噛むほどに旨味が幾重にも広がっていく、とても深みのある味わいです。
定番の「板わさ」に、スダチ等の柑橘系も相性が良いですが、一番のオススメは
【板付きのままでかぶり付き、歯で削ぎとる】という野趣溢れる方法。
一塊の蒲鉾を噛み締め、また噛み締め、口に広がるあごの風味を堪能。
そこに裏板から歯で削ぎ取ることで「木の香」が加わり、まさに醍醐味ですね。
この食べ方、実は二方蒲鉾の先代社長が常々語っていたもので、
「蒲鉾は、この食べ方が一番うめえんだ」
お召し上がりいただけば、きっとこの言葉に共感いただけるでしょう。